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急に大人になった気がした18の春。

いくつかある講義棟の場所と番号をやっと憶えた頃に彼女と出会った。当時所属していたサークルの飲み会で隅っこの方であぶれた男三人で世間話をしていた。あの頃はずっと現実と理想の大学生活の間でゆらゆらしていた。

頭の中でこのままサークルに居るか居ないかを一人で検討している僕に彼女が「こっちは静かだね、落ち着くと」寄ってきたのが一番最初。一見すると失礼にも聴こえるのだけれど、彼女の持ち前の雰囲気と話し口調からその言葉に悪意がないことなんてすぐにわかって僕は彼女を向かい入れた。同じテーブルなはずなのにイッキのコールがやけに遠くに聴こえる。

「初めましてだね」

彼女の言葉を皮切りに自己紹介を交し合う。名前と学科だけと出身だけ。実のところその前から僕は彼女のことを知っていた。

「あいつはすぐやれる」

そう噂されていたのが彼女。

「4」

それが彼女と今現在関係がある男。セフレが三人。彼氏が一人。どうにか四人目になろうと周りはアプローチ合戦で僕はモテないグループにいて。生ぬるいところでそれを遠くから眺めていた。

そんなのにうんざりして彼女が僕らの席に来た。今にしてみればなんとも情けない話ではあるけれど、その当時はうれしかった。サークルの中心にいる奴らに対して初めてもてた優越感。僕がもしも中心にいたらあいつらと一緒の行動をとっていたに違いないのだけれど、でもその道の違いの分だけ清い自分もまた誇らしかった。

その日は二次会までの数十分彼女の話を聴いた。彼氏のこと。30代後半で既婚者で子供が二人。

彼女の体の全身に男の匂いがついている気がして僕は気分が悪かった。少し白い肌とピンクの唇。細い指。全てに男を感じれた。顔、声、スタイル、常識、知性、マナー、立ち姿。完璧超人のレベルで彼女は高得点を掻っ攫っていったけれど、僕は苦手だと思った。そしてかなり寂しく、切なかった。

サークルをやめた次の週学食の横の喫煙所で友人を待っていると遠くで僕を呼ぶ声がした。件の彼女。と言っても「佐藤君だっけ?」なんて拙い呼びかけだったけど。

「今週の飲み会どうする?」

僕は彼女にやめた旨を告げた。少し心苦しい。「残念だな」と僕の横に座って「私もやめようかな」と続ける。「あれ?これは・・?」なんて下心が出てくるけれど、すぐに奥のほうへ押し込める。得する人なんて誰もいやしない。

「あと何コマあんの?」なんて話していると友人が来て同時に彼女も去って行った。

そんなことが数回あって僕と彼女は大分仲がよくなった。「セフレと別れろよ。まんこ磨り減るぞ」なんて軽口叩ける程度に。恋愛感情は一切ない。友情でもない。変な関係。連絡先は交換しなくていつも昼に学食横の喫煙所で。

普段は適当なことを喋っていたのだけれど、彼女から相談を受けることがあった。恋愛ではなくて進路の話。一応童貞の僕を気遣ってのことだったらしいけど、進路のことも分からなくていつも「まだ先のことじゃん」と流してた。留学したいけれど、じいちゃんが許してくれない。そんなことを僕にしても。ねえ?

僕はいつも聞き手であまり自分の話をしなかった。だからかある時彼女に何か相談ないの?と言われて少し迷った後に。

「どうしたら彼女出来るかな」

彼女は大笑いして「もう悟り開く気だと思ってた」って。「もっと男らしくなれば彼女出来るかもね」これが確か彼女の真面目な答え。そんな真面目な答えを残して彼女は僕の前から消えて僕らの話は終わる。休学しているから。留学しているから。大学を辞めたから。彼女が死んだから。どれも違う。


僕が思い出すのを考えるのをやめたから。


芸術の秋に何か文学めいたことでもと思ってパソコンを開いて出来上がったのは収拾の付かない文章と花見で「おっぱい」と叫びすぎて居づらくなってサークルをやめた思い出だけ。

何かアクション起こしたくなる秋。皆様はどのようにお過ごしでしょうか。僕は憂鬱の秋を謳歌しております。あのとき作ったサクラの木の下のゲロの水溜りのように僕の心を憂鬱が侵食していきます。
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